東京11R 天皇賞秋
◎シャフリヤール
△パンサラッサ
△ジャックドール
△イクイノックス
△ジオグリフ
☆ポイント
天皇賞秋が行われる今週は東京開催のBコース初週。
天候も安定していたことから、土曜の馬場は超が付くほどの高速馬場という状況。
展開的にはまずパンサラッサの逃げが濃厚。次いでバビットかジャックドールが2番手という隊列で、これらを3馬身程度離してパンサラッサがハナを切る形だろう。
高速馬場に加えてハイペースの逃げを得意とするパンサラッサがいるので、今回は非常に速い追走力が問われるレースになるだろう。
中心視するのはHペース対応可、東京20ベストのシャフリヤール
メンバーを見た感じで「シャフリヤールVS3歳馬」という構図だったんだけど、春に大きく期待していた3歳馬の3頭は春からの成長面に疑問が付く部分があるのに加え、速い流れの2000m戦への対応力に疑問があるので、ここは4歳シャフリヤールを中心に。
真骨頂は毎日杯で見せたスピード。成長過程の3歳の3月で前半57.6で流れた中、好位から運んで後半4F11.9-11.5-11.2-11.7と速いラップを連続し続けて押し切ったスピードの持続力の高さが武器。
距離延長のダービーでは11.5-10.8-11.6でL2Fでエフフォーリアに一瞬抜け出されるも、その後ろからハイラップを叩き出し続け、ゴール前で僅かに差し切った。
この速いラップを続ける能力に関しては、同じ府中を得意にしていたアーモンドアイやグランアレグリアと非常に似ている。
敗れた神戸新聞杯は重馬場、プリンスオブウェールズは高低差大きい馬場に泣いただけだと思っているので、ここは度外視。
昨年のジャパンカップは敗れた相手はコントレイルだし、オーソリティも左回り中距離においては世代上位だった。これらを相手に1角の入りでラチに激突する不利もありつつ大崩れはしなかった辺りは地肩の強さだろう。
陣営は次走のジャパンカップを目標と話しているが、個人的にはこの馬のストロングポイントは上記で述べたスピードだと思うので、「折り合い、瞬発力、持続力」を問われて、更に開催最終週で荒れた馬場で行われるジャパンカップよりも、「スピード、瞬発力、持続力」を問われる天皇賞秋の舞台で狙ってみたい。
もし、この馬が崩れるシーンがあるとすれば、ポジション取りが甘くなって、後方一気の脚を問われるような位置になる事ぐらいだろう。イクイノックスやダノンベルーガと違って、速い流れを経験している面は大きなプラス材料にも働くはず。
パンサラッサ
ハナを切るだろう馬で展開のカギを握る。近走の有馬、宝塚の敗因は距離にしていい。札幌記念はジャックドールに敗れたものの、時計の掛かる洋芝というのは大きく影響していて、更にコーナーが緩い札幌では4角で取り付きたいジャックドールに分があった筈。舞台は東京2000mだが、高速化が進んでマイル気質のスピードを要求されると踏んでいるので、ジャックドールとは立場が逆転しそう。
Bコース初週×高速馬場なら残り目があると踏んで紐相手でも高めの評価。
ジャックドール
前走でパンサラッサを破ったように、逃げない形で白星を挙げたという面では非常に大きな収穫だっただろう。大阪杯は未経験のハイラップと落鉄に敗因を求めていい。
テン良し中良し終い良しという優等生タイプなのだが、鞍上も高速馬場のパンサラッサの単騎逃げは要警戒するだろうし、この馬の1,2列後ろに位置付けそうなシャフリヤールとジオグリフの決め手にも警戒しないといけないので、最もバランスが要求される。
難しい展開で藤岡佑騎手、初58キロ、2番人気と馬券的には少し買いたくない要素もあるし、最終追い切りは自ら進んでいかないような重苦しさも見れたので、本線では買わないかな。
イクイノックス
皐月賞は長欠明けの直行ローテだったが、惜しくも2着と堂々のレース。ダービーは後方2番手から進め、ここでも惜しくも勝てず2着に敗れた。
トップスピードに到達するまでのギアチェンジでは、このメンバーでも屈指(共同通信杯のダノンベルーガと並ぶ)だが、持続力に関してはまだまだ上がありそうな感じ。
今年の皐月賞はL2F戦でギアチェンジを問われたレース。変わってダービーはペースも速く、ルメール騎手も「少し忙しかった」と話しているぐらいなので、追走できず後方となった。
春からの大きな成長があれば距離短縮もこなしそうにも見えるが、パンサラッサがいて高速馬場でとなると、どうしてもハイペースは間違いないし、ある程度ポジションを取れるような馬ではないと、この流れで間に合わないんじゃないかなという見立て。
この馬とダノンベルーガは瞬発力を問われるジャパンカップで狙いたい。
ジオグリフ
共同通信杯はダノンに千切られたが1キロ差あったし、以下は離しているだけにレベルの高い走りだった。皐月賞は今まで付けてたエクイロックスが外れ脚元の不安が解消。器用なコーナリングから中山適性も高かった。
ダービーは皐月賞メイチの反動もあったし、距離も長かった。
ベストはコーナーリングを効かせたい阪神や中山なのかなというイメージではあるが、皐月賞は瞬発力を問われる展開だったし、共同通信杯も上記の通りハイパフォーマンスだったので、ある程度ポジションを取っても脚が溜まるなら走ってくると思う。
骨折明けながらも、3歳勢の中では最も馬体の成長は感じるのも好感。
ダノンベルーガ
最も期待している3歳馬なんだけど、正直大きな成長は感じない。
ハーツクライ産駒なので、これは古馬になってから良さが出るかもしれない。
レースを振り返ると共同通信杯は高い瞬発力でジオグリフを破る。
皐月賞は馬場の悪い内を通したのが影響したのか、伸びあぐね4着。
ダービーは直前追い切りで猛烈なタイムを出し事なのか、暑さが影響したのか不明だが、馬体重マイナス10キロで登場。右後ろ脚のコズミもあり4着。
緩い流れからの瞬発力というのがこの馬の武器なので、パンサラッサの作る速い流れを追走しつつも、脚を使っていけるかというのはまだ裏付けがないので、少し厳しいレースにはなりそう。
良化を見せてジャパンカップで狙いたいところだが、賞金が足りないので、現実的にはどうなるか分からない。