【競馬予想】有馬記念出走馬全頭解説!

中山11R 有馬記念

 

①ソールオリエンス

今年の皐月賞を制覇して、その後ダービー2着、菊花賞3着と着順は下がっていながらも、条件の異なるクラシック3レースで崩れずに走れているのは評価したいし、決め手の鋭さ、ハマった時の打点は古馬初挑戦でも引けを取らないと思う。

前走菊花賞はタスティエーラを終始マークした分、3,4コーナーで外々を回り続ける形になり、直線もそれ程伸びてこなかった。横山武史騎手も3000mは長いとコメントしていたようにベストは2400前後なのかなと感じた一戦だった。

今回の取捨に関しては恐らく狙わない。右回りのコーナーで外に膨れてしまうという弱点は夏を越しても変わり身を見せなかったし、外回りのセントライト記念ですら外に膨れてしまった。

菊花賞も同じように、現時点で右回りで走るのはパターンが一つしかない。その中で川田騎手へ乗り替わるのは面白い試みではあるが、近走の内容からして中山で狙うのは少し難しいかな。ドバイ、秋天ジャパンカップで。

②シャフリヤール

11月のBCターフ3着から、香港ヴァーズを予定していたが、不整脈が出たせいで出走を回避して、暮れの有馬へ舵を切った形に。

前走BCターフは中団内で控え、4角で外を狙ったところ、自分がいたところを勝ち馬オーギュストロダンに突かれて敗れた。直線270mしかない小回りコースで、立ち回りの上手さとトップスピードまでスッと入れるギアチェンジを問われるレースだったと思うので、この馬にとっては難しい条件だったとは思う。

アルアインが中山で活躍していたが、この馬は長い直線で末脚比べをさせたいタイプだし、有馬の舞台で狙いたくはない。

③ホウオウエミーズ

前走福島記念で勝利して有馬へ。

小回りのローカルも得意で、同じ小回り中山も3-4-0-5と連対率58.3%

コーナーで動けていける機動力が武器なので、条件的には面白いとは思う。しかし、前走は54キロでハンデに恵まれてはいるし、後にエリザベス女王杯に挑戦して11着のビッグリボンにマーメイドSで完敗しているので、現状能力で足りない。

昨年エリ女が7着だったが、大雨で特殊展開に乗じた。

④タイトルホルダー

2022年最優秀4歳牡馬も今年は天皇賞春での競走中止があったりと、G1出走は2つのみに留まっている。

日経賞は不良馬場で展開が向いたのもあるが、オールカマーで負ける姿を見ても、力はかなり落としているのかな。

有馬に関しては3年連続の出走でここ2年は5着・9着という結果。阪神内で3つ勝てて、中山で勝てないのは緩いコーナーの3,4角で後続に取りつかれてるというのが一つあると思う。同型のパンサラッサがいないのは好都合で、距離不安も一切ないというは味方にしそうだが、良い時よりも1枚か2枚落ちるというところで強くは推せない。

⑤ドウデュース

怪我から復帰して秋天ジャパンカップとイクイノックスとの対決は完敗という形で、しのぎを削ったライバルは名馬となりターフを去った。

ここ2戦の内容は勝ち馬には完敗だったが、秋天はペースが流れて前目に付けてしまったこの馬にとっては不利な展開。前走はスターズオンアースに差のないレースはしているので、競走能力が落ちているというのはない。

元々、この馬は筋肉質で2000前後がいいと思っていたので、2500まで伸びて買う気はしないし、戸崎騎手が特段やらかしたとも思わないので、乗り替わりで武豊騎手に戻る点で再評価まではできない。

⑥ディープボンド

3年連続天皇賞春2着のステイヤーで、有馬も21年は2着に好走。

距離不安がない点でアドバンテージはありそうで、強力な先行馬もタイトルホルダーぐらいなので、展開的には向きそう。

ただ、6歳牡馬にしてズブさは見せていて、前半から前へ行けない時も出てきたので、全盛期からは1枚落ちる。

出来ればタフな馬場の持久力比べをしたいクチだろうが、今の中山は割と軽いので、結構条件的に厳しいんじゃないかなと思う。

⑦アイアンバローズ

前走ステイヤーズSを勝利。一旦控えるも2周目からハナを奪って、ペースをコントロールする好騎乗。4角で後続が並びかけるも、そこから更にエンジンを掛けていって2馬身半差の圧勝。

G2とはいえ、1番人気が重賞勝ちのないキングスパレスだったし、レベルは高いとは言えないメンバー構成。ここに入るとなると、基礎能力で2,3枚は足りない。

得意の中山ではあるが、2500mよりも3000m近くのスタミナレースが好ましいかな。

ライラック

秋初戦の府中牝馬Sは前目に付けて府中の高速決着に対応してきて3着、前走エリザベス女王杯上がり3ハロン最速の脚を見せるも4着に終わった。

内枠決着で前目に付けられた馬が上位に来ているので、厳しい展開ではあった。後方で我慢して特に押し上げる事もなく4角で内に切り込んで一脚で~というレースになったが、本来は徐々にエンジンを掛けていってコーナーから勝負する形がいいので、典方的にも向かなかった一戦だとは思う。

府中で速いラップを踏むレースも対応したりと成長は見せているだけに不気味な一頭。こういう馬に外国人騎手が乗ってくれれば面白いんだけどね。今回は見送るが、持久力比べになりやすいレースでは力を発揮してきそう。

⑨ヒートオンビート

今年は目黒記念で初重賞勝利を挙げ、秋も京都大賞典は9着に終わったが、アルゼンチン共和国杯3着同着と6歳牡馬で息の長い活躍をしている。

59キロもトップハンデで、レースも直線向いてから内から外に出すまでに一苦労していて、スムーズとは言えない運びだっただけに勿体なさはあった。タイプ的にも長距離で直線は瞬発力も使える形なので有馬で狙いたい馬ではない。基礎能力的にもトップ戦線では劣る。

ジャスティンパレス

天皇賞春を制し、宝塚と天皇賞秋はイクイノックスに完封されつつも、ライバルが引退した今なら古馬中距離路線ではトップの実力者だろう。

4歳で本格化を迎えて非常に充実しているし、イクイノックスがいなければ・・・という内容ばかりなので、恐らく1番人気を背負うのではないかな。

前走天皇賞秋はペースも流れて、後方で控えた同馬とプログノーシスには展開が向いた中で、府中・2000mへの短縮に対応してきたところがこの馬の充実度を感じるし、秋初戦で状態も不安視していた中での2着好走だったのは素直に評価したい。

昨年の有馬記念7着は無理にポジションを取りに行って、伸びない内を走った事で負けたのが敗因とされているが、今年の大活躍を思えば走らなさすぎという見方もできる。

有馬へ向けては距離も伸びるし、状態面の上積みもあるので好走要因が多い。

⑪ハーパー

牝馬クラシック皆勤で桜花賞4着オークス2着秋華賞3着と大崩れなく走って、前走エリザベス女王杯も初の古馬との対戦でも安定感を見せつけて3着に好走。

安定はあるけどG1のレベルで突き抜けた武器があるという訳でもなく、エリ女で敗れたブレイディヴェーグや秋華賞で敗れたリバティアイランドとマスクトディーヴァには完敗している形なので、3歳牝馬路線でも上位3頭には水を開けられている。

夏を超えて馬体も徐々に増えてきていて晩成型ハーツクライ産駒で今後は楽しみな存在ではあるが、現時点では上位に食い込めるほどの武器と爆発力は見せていない。

⑫ウインマリリン

昨年はエリザベス女王杯3着、香港ヴァーズ勝利と充実したが、今年は着内なしで今回が引退レースになる。

良い時は先行してスッと瞬時の脚を使えたり、立ち回りの上手さが光っていたが、今年の札幌記念オールカマーの負け方を見てしまうと、力は落ちているんだなと思ってしまう。本来は有馬向きなんだけど、枠も外目を引いていいところがない。

⑬タスティエーラ

皐月賞2着、ダービー勝利、菊花賞2着とクラシック皆勤で全て連対を果たした。ソールオリエンスのところでも書いたが、牡馬クラシックは中山2000m・東京2400m・京都3000mとそれぞれ異なるコースで求められる条件も違う中で安定して走っているところは素直に評価したい。

前走は距離不安で苦しいかと思っていたが、ソールオリエンスにマークされつつもソールには1馬身半差付けているし、勝ち馬ドゥレッツァには上手く前で立ち回られてしまったので着差は付いたが上々の内容ではあったと思う。

3歳勢の中なら一番買いたい材料はあって、2500mへ距離が短くなる点もいいし、中団から運んで一瞬の良い脚は使えるので、ムーア騎手とはとても手が合うと思う。

上位層のジャスティンパレス、スターズオンアースに対してはまだガンガンやり合える位置にはいないと思うけど、56キロの斤量と秋2戦目の上積みでダービー馬がどこまで迫れるか。

プラダリア

3歳で青葉賞を勝ってから、重賞勝ちは遠ざかっていたが、前走京都大賞典で勝利。

開幕週ながらも雨で少し時計の掛かる状況で、重馬場得意のボッケリーニとディープボンドに競り勝ったのは大きい。

正直イメージとして大きな武器がなくて、特徴も薄い馬だったけど、前走の形を見ると時計の掛かる馬場で立ち回りの上手さを生かしたいタイプだなと感じた。

ただ、宝塚記念でも負けている相手が揃っているし、中山も軽い。枠も外目を引いてしまってセコく乗るというのは難しい状況なので狙いにくい。

⑮スルーセブンシーズ

年始の3勝クラスから始まり、中山牝馬Sで初重賞勝利、宝塚記念ではイクイノックスにクビ差迫る2着と大健闘。その後はフランスに渡り凱旋門賞4着。今年に入って大きく成長を遂げた4歳牝馬

宝塚は勝負所でジャスティンパレスに蓋されて、一旦下げてからの再加速だったので、これでイクイノックスに迫ったのと、ジャスティンパレスに先着したのは素晴らしいし、勝ちに等しい内容である。

凱旋門は出遅れて後方になり、一脚届かずに敗れた。凱旋門では珍しく直線で速いラップも問われて日本馬に向いたレース構成ではあったが、府中っぽい直線勝負だっただけに、スルーセブンシーズのような小回りでコーナーから動けてスッと加速という馬には少し難しかったと思う。

中山は好相性だし、ジャスティンパレスに先着しているのだから、ここでは最上位格に入っても良い。枠に関しては難しいが、元々ポジションを取って立ち回りの上手さで競馬するタイプでもないので、後方で控えて隣のスターズオンアースをマークしつつ、動きたい時に動くという展開になると思う。

⑯スターズオンアース

今年は距離が短い2000mの大阪杯、1600mのヴィクトリアに出走し、堅実に着内に来ているところを見ると、総合的に能力が高い。秋天は回避してジャパンカップで秋初戦となったが、17番枠から3着に好走。勝ったイクイノックスには差を付けられたが、今年の三冠牝馬リバティアイランドとは1馬身差で斤量差2キロを考えれば数回やれば何回かは先着してそうな差でしかなかった。

回避明けで追い切りも軽くて、馬体重もプラス12キロで完全な仕上げじゃなかったのを考えると、今回への上積みは間違いないだろう。基本的に得意舞台は東京2000m~2400mだと思うが、コース問わずに走って11戦して着外なしは文句なしに強い。

大外16番は難しいが、これもスルーセブンシーズ同様に好位を取って立ち回りを生かしてというタイプでもないから、動き出しを計りやすい外は悲観しなくても良いかなと思う。

 

◎スルーセブンシーズ

〇スターズオンアース

ジャスティンパレス

△タスティエーラ