【G1予想】ジャパンカップ

東京12R ジャパンカップ

◎ダノンベルーガ

〇デアリングタクト

▲カラテ

△シムカミル、グランドグローリー、ハーツイストワール、ユーバーレーベンの辺りから

 

展開はユニコーンライオンが逃げそうだが、溜めるかハイラップを刻むかは少し分からない。距離不安もあるし、国分優作騎手の東京経験も含めて恐らく溜めてスローだろう。

馬場に関しては先週の日曜午後に少し雨が降ったが影響なく。土曜も午前中に雨が降ったが時計への影響はなし。

差しは決まるが、ペースが流れて大きく減速ラップにならないと、簡単に前が止まらない。東京11Rでもノルカソルカが内ラチを頼って逃げ粘ったりしているので、見た目以上に内は使えている様子。

せっかくなので、今日は各馬を解説していきたい!

1.シムカミル

前走ニエル賞日本ダービー馬ドウデュースを撃破。凱旋門賞への登録がなかった為、追加登録を断念してジャパンカップを目指して初来日。

その前走は好発を切って3番手を取り先行。内を立ち回ってL2Fで抜け出す形。

2走前パリ大賞はハナを奪ったが距離を延ばしてパフォーマンスを上げたオネストに差されて2着に敗れた。

6頭立ての少頭数で直線の入り口でオネストとの距離もそこまで離れていなかったので、展開的に難しかったと思うが、ゴールまで競り合えていたので、レベル的には海外勢だと上位。

戦法的にはハナを切るだろうユニコーンライオンを見ながらというレースになりそうだが、先行勢が少ないので展開的にはチャンス。あとは直線で11秒前半のラップを問われて対応できるか。評価的には前残りバイアスなら抑えても良い程度。

2.オネスト

パリ大賞の勝ち馬。凱旋門賞は10着に敗れたが、日本のトップ騎手ルメールを配しての一戦となる。

仏ダービーは最後方から進めて差し遅れ5着。距離が忙しいように見えたし、ペース的にも前半1100m通過が65.8と比較的流れて対応できなかった。結果的に3着モダンゲームズはQE2Sを2着、ブリーダーズCマイルを勝つなどマイル戦線で活躍。勝ち馬ヴァデニは凱旋門賞2着とハイレベルだった。

府中を得意とするルメールが乗る辺りは心強いが、稍重より渋った馬場でしか走っていないし、時計的な対応は未知数。好枠2番を引いたが、ゲートが遅くて下げてからのレースになるだろうから、この馬にとっては良さが出ないだろう。渋ればチャンス、高速馬場なら消したい。

3.ヴェルトライゼンデ

抑えたいけど名手レーン騎手で人気し過ぎてる感。復帰戦の鳴尾記念はその後エリ女を勝つジェラルディーナを下したが、展開的には前後半差2秒後傾でL2Fで11.1の高速ラップを問われる瞬発戦は低速持続型のジェラルディーナには展開が向かなかった。

オールカマーは内を立ち回った馬が上位に来たレースで、外々を回したロスもあった7着ではあるが、坂でパタっと止まってしまったのを見ても、良い脚が一瞬なタイプ。

内を引けたのでロスなく立ち回れるのは良さそうだが、使える脚は長くないので東京ではあまり買いたくないかな。

5.グランドグローリー

昨年はジャパンカップ5着に好走。2コーナーでコントレイルに進路をカットされる不利があって位置を少し落としながらも3着シャフリヤールと0.3差

その後はプリンスオブウェールズ3着、凱旋門賞5着と6歳牝馬でも大きな衰えもない。

昨年のレースで日本の馬場への適性も見せているので、一応抑えてもいいかな。

6.ヴェラアズール

今年から芝に転向して一気に躍進。現在2連勝でジャパンカップまで駒を進めた。

前走京都大賞典で見せた末脚が武器で、稍重発表ながらも馬場が回復してきて走破タイムも速くて、10秒台のラップも踏むようなレースだった。

上がり馬として注目の存在ではあるが、名手ムーア騎乗という事もありかなり人気してしまっているので少し狙いにくい部分も。

弱点としてはゲートが甘く、ここまでポジションを取ってきてのレースというのはまだなく、更にいずれもスローペースで中盤も息が入って、ラスト3~4Fの決め手比べというレースばかりしかやっていないので、これがメンバー強化で後ろからになると、さすがにメンバーレベルが低いとはいえ物理的に厳しいか。

3連系で抑えても良いが、ダノンベルーガとデアリングタクトを狙う身としてはオッズ消ししたいかなと。

7.テュネス

21年凱旋門賞馬トルカータータッソの弟で今年のバイエルン大賞で圧勝。

時計的に2.44.3なのでさすがに同じ2400mでも同じ競技として考えていいのかどうか。血統的にも重い馬場向きだと思うので、海外勢の中だと即消しレベルかな。

8.デアリングタクト

かつての3冠馬エリ女6着負けから得意舞台の東京に参戦。

前走時の予想で「高速馬場なら消し。重めの馬場なら秋華賞桜花賞から抑えても~」と述べていたが、今年のエリザベス女王杯は大きく外を通らないと馬場の良い所を走れないような馬場状態だったし、外から内へ押し込められるような位置でいたので、かなりかわいそうなレースだった。

靭帯の大きな怪我をしているだけに、上滑りする馬場というのも良くなかったと分析したい。結局、全盛期もコーナリングを求められるコースでは微妙に差し負けたりしているし、反して休み明け一発目のヴィクトリアマイルは得意の東京ならマイルでもある程度対応してきたのを見ると、完全なる直線ストレッチランナーなので、この東京替わりは大きくプラスになるだろう。

9.ユニコーンライオン

前走で福島記念を勝利。良馬場発表だが時計はかなり掛かっていて、前半59.4は少し飛ばした。それでも持続ラップを踏み続けてトップハンデながらも0.3差の勝利。

鳴尾記念1着、宝塚記念2着に好走した時は、ゆっくり行って直線でも11秒前半の速いラップを踏める「溜めて逃げれば一瞬良い脚使えるタイプ」だったので、前走の勝ち方は結構意外だった。

ハナ濃厚で、シムカミルとテーオーロイヤルもそんなに競りかけてくる可能性は低いと思うので、展開的には恵まれそうだが、2400mの京都大賞典で13着と大きく負けているのは多分距離の壁だとも思うので、ここは手が出ないかな。

10.ハーツイストワール

前走アルゼンチン共和国杯で2着に好走して賞金加算。ジャパンカップ通算4勝の名手が継続3戦目で挑む。

直線は内に潜り込んで進路を見出したが、完璧に立ち回ったブレークアップは差せず2着。ブレークアップは唯一不利を受けなかったと言ってもおかしくないし、ハーツは動き出しで踏み遅れてしまったので、結構致命的なロスだった。前走は17番枠で中団に入れたが、ゲートも安定している馬なので先団で運べれば面白い。ヴェルトライゼンデと少し似ていると思うけど、抑えるなら人気のないこちらかな。

11.カラテ

前走は天皇賞秋に挑戦して6着。今回はいよいよ距離を延ばして2400mのジャパンカップ

番手以降はスローペースとなった秋天で、後方になった時点で正直しんどい。菅原騎手もかなりポジショニングは気にして乗ったらしいのだが、序盤に目の前のマリアエレーナが内に押し込められて位置が下がり、その煽りを受けて、カラテ自身も位置が下がってしまったのが一番の要因。

上がり自体はジャックドール、シャフリヤールよりも速いし、6着でもよく走れたとは思う。逃げるユニコーンライオンの戦略は少し掴めない部分はあるが、それ以外はあまり先行馬が揃ったわけではないし、並び的にもユニコーンの外にいるので前半のポジションは意識しやすいとは思う。一発に期待したいね。

13.テーオーロイヤル

春はダイヤモンドSを勝利、天皇賞春3着と充実したもの。秋のオールカマーは内有利の中、外を回って、直線の入りで一瞬伸び欠けたが坂で止まる。

前走は内で進めたが前の斜行もあり、動き出しの不利。それでも馬場の良かった内を突いても伸びあぐねたのを見ると、アルゼンチン共和国杯組ではハーツイストワールの方を評価したい。

14.ダノンベルーガ

皐月賞は内の馬場が悪い所を通り、ダービーは馬体重マイナス10キロと馬体を大きく減らしたのと右足のコズミがあり4着に敗れた。

前走も右後ろ脚はスムーズに出ていなくてバランスの悪さを見せたが、しっかり3着に走った辺りを見ると、この馬のキャラとして捉えるのがいいのかもしれない。

その前走はパンサラッサが単騎で飛ばす流れだが、後続が誰も突かず番手以降はドスローのギアチェンジ勝負という展開。内を突いて良い脚で伸びていたし、何より不安視していた追走面において2000mで不安を見せなかったところは大きな収穫だろう。

シャフリヤールが出来落ち、イクイノックスやドウデュースらがいないなら自然とこの馬が東京ではトップに近いと見ているので、ここは狙いたい。

加えて外枠を引いたのもプラスだと思っていて、皐月賞から秋天まで内に入れて走ってきたが、広いストライドが特徴の馬なので、しっかり外に出して共同通信杯のような脚を引き出せれば。

15.シャフリヤール

前走は自身の本命を打った訳だが5着に敗れた。

敗因としては番手以降はペースが流れず、ギアチェンジ勝負になってしまったところ。速い流れでも高速持続を出せるのがストロングポイントだが、その良さが発揮できなかった。どうしても後半の上がり特化戦になるとイクイノックスとダノンベルーガには分が悪かったと思う。

それでもジャックドールと同じ脚しか使えなかったのを見ると、少し成長力に疑問符が付くかな。陣営は「ジャパンカップが大目標」と口にしているけど、前走は割と走れる状態ではあったし、今回は1週前に芝で追い切りを行っていたり、前走からの大きな上積みはあまり感じない。

ダービーで勝利、ジャパンカップ3着の3歳時よりも馬体が詰まって筋肉質になってきているので、今はより距離適性が短い方向にシフトされていると思うんだよな。

17.ユーバーレーベン

昨年のオークス馬。

瞬発力勝負が良くなくて、持続力勝負をしたいタイプで、前走は実質ギアチェンジを問われるレースだったので、叩き台というのも含めて度外視していい。

オークスでも中盤緩んだ地点でミルコが外からじわっと押し上げたのが勝因だと思うので、かなり乗り方が問われるタイプ。

昨年はコントレイルを見ながら運べたが、外からブルームに被されて直線に入り、仕掛け遅れる形で内に進路を取るも、差し込めず6着。今年に入っても着内はないが、距離や展開が合わないレースばかりだったので、人気してない状態なら紐で抑えたい。

18.ボッケリーニ

今年は目黒記念を勝って久々の重賞勝ち。G2~3常連馬だが今回が初G1挑戦。

これは内枠を引いたなら狙っても良かったが、大外枠というのは大きな割引。

先行勢も少ないし、内でロスなく立ち回りたいが、兄ラブリーデイと違うのは、こちらはストライドも伸びるので、一瞬の脚というよりも長くだらっと脚を使いたいクチなので、距離も2400前後に対応できている。

ん~これは枠に泣いたと思う。