中山11R 皐月賞
★ポイント
先週の中山の馬場は2日間ともに天気も良くて良馬場で行われ、時計も速い状態。
今週は木金で雨が降ったので、時計の出方に変化がありそうだったが、土曜日は皐月賞と同じ2000mでも2.00.3のタイムが出ているように、徐々に回復が見られており、重馬場から稍重に発表が変わっている。
ここから雨が降らないので、更に回復が見込まれて、明日は終日良馬場開催で行えそうで、皐月賞の時計も2分は確実に切って1分58秒から59秒台は出そう。
展開的には外のデシエルトかビーアストニッシドが逃げたいクチだが、会見でビーアスト陣営は無理に行く気はないと話しているので、こちらではなくデシエルトが行くことになりそう。内のグランドラインはデシエルトと同じ馬主だから突く事もないでしょう。
デシエルトの岩田騎手が逃げる形を想定したいが、前走も落ち着いたペースで前半は進めて4角手前で仕掛けていく運びだったので、前半の流れはそこまで速くならないかな。まぁ外枠から出して切り込んでいってビーアストをカットしていくので2角までは速くなりそうだけれどもね。
ペースは上がらず、直線の末脚勝負になるんじゃないかと想定。良馬場に回復はしそうだが内は傷んでいて外が少し伸びそうな感じなので、その辺は当日チェックして欲しい。
◎ダノンベルーガ
〇ジオグリフ
△ジャスティンパレス
△ドウデュース
馬場・コース適性を取るか能力を取るかで悩んだけど、思った以上に木金の雨が影響しなさそうで、良馬場で迎えられそうだったので、能力を取って◎ダノンベルーガから入りたい。
共同通信杯も本命にした訳だが、まだ緩くて完成されてない状態で、新馬戦は上がり33.1で圧勝。2戦目も一気の瞬発力で勝利。
中山適性に関しては右トモの不安もあって、追い切りでも少し外にモタれているので、弱点にはなりそうだが、今回は最内枠も引けたし、デシエルトが単騎で行くなら追走スピードもそこまで上がる事もないだろうから、じっくり内で溜める事に専念できそう。
まだスローペースしか経験がないので、淡々としたペースで脚が削がれたり、早仕掛けでコーナリングを求められる展開だと、やや不安はあったが、今年は乱ペースにもならないと踏んでいます。
内で溜めて前が開かないリスクは高いですが、今年の一番星だと思っているので、皐月賞とダービーはセットでこの馬を本命に推したい。
他、各馬解説
ドウデュース
朝日杯を制して、前走は弥生賞は2着で今回人気の中心になるだろう。
トライアル仕様の前走でもキッチリ2着を確保してきたが、この馬の良さは自在性の高さだろうか。流れたペースの朝日杯でも、スローで加速度を要求された弥生賞でも堅実に走ってきているので、今回も大崩れは考えられないかな。(最低でも掲示板は)
仕上がりに関しては1,2週前追い切りで速い時計が出たので、最終のポリトラック追いは軽くやりたかったのだろう。再輸送+調教後に体重がかなり減っていたので、これらへの配慮だろうか。
凱旋門への登録、今後のダービーに関していうと、ハーツ産駒でもこの馬はガッチリしていてサリオスに似たタイプに思えるので、16~20がベストかなと思う。
イクイノックス
今年のクラシックで善戦するも勝ち負けには食い込めないアサヒを東京で圧勝しているので、世代上位の逸材というのは間違いないが、今回に関しては休んでいる間にレースを使って経験値を積んできたライバルとどれだけ差が付いているのかというところ。
帰厩して最初の時計が3月25日からもノーザン外厩で仕上げてきた事がわかるのだが、追い切りの映像を見たところだと、そこまで突出した良さは感じなかったので、休み明けの今回は前哨戦で、あくまで目標はダービーといった思惑だろうか。
能力は認めつつも、レースで印をつけるかと言われれば今回は消すことになる。
大外18番枠を引いて、終始外を回る事は考えられるし、恐らくこのレベルになってくると位置的には少し後ろになって来るだろうから、大外一気でこの馬よりも前にいるドウデュースをはじめ、ダノンベルーガやジオグリフを交わし切るのは想像つかないかな。
キラーアビリティ
ホープフルSの勝ち馬で、トライアルを使わずに直行で皐月賞へ出走する。
前走は前後半差のない平均ペースを3番手好位で進めて、坂の手前で先頭に躍り出て押し切るという王道な競馬。
2分を切るようなスピードを問われる展開になるなら注目はしたいが、木曜金曜で雨が降って、開催最終週となると元々傷んでいたところに雨が加わる今週の馬場では評価は下げたい。レコードで勝った小倉の未勝利戦も前半から淡々とラップを踏んで後続の脚を止めたような形だったし、ホープフルも加速度を問われずにスピードで押し切るような内容だった。高いレベルで言うと2000mは長くて、マイル前後で先行力を生かしていきたいタイプかなと。
仕上がりに関しては少し不安はあって、ソラを使って並んで抜かしてからは気を抜く部分が徐々に強くなってきていて、今回先着なしっていうのは気掛かり。
デシエルト
ダートで連勝して初芝の若葉Sまで勝利し3連勝。
土曜の昼現在で単勝3番人気と、人気を集めているのは少し驚き。
前走はスローペースをマークされずに楽に逃げての完勝だが、正直メンバーレベルはかなり弱かったと思うし、内ラチを通して行けたのも勝因の一つだろう。
ただ、逃げても上がり2位のタイムは出しているのだから、若葉Sだけなら実力で勝ったと言ってもいい。
脚抜きの良かった阪神と、直線で鋭さを問われやすい中京を勝っているので、ある程度高い瞬発力はあるけども、芝のG1となると圏内に来るなら展開の助けは必要になるかな。仕上げに関しては最終は折り合ってリズミカルな走りができています。
ジオグリフ
前走に関してはダノンベルーガに完全に敗れたが、1キロ重い57キロというのはかなり不利だったと思う。
21年ステラヴェローチェ→5着
20年マイラプソディ→4着
19年アドマイヤマーズ→2着 クラージュゲリエ→3着
18年グレイル→7着
16年スマートオーディン→6着
というように57キロを背負った馬は厳しいレース。
この馬のタイプをどうカテゴライズするかが難しいのだが、現状札幌2歳の勝ち方が最も能力を引き出した感じがしていて、洋芝で時計の掛かる馬場でコーナー勝負で良さが出た。ドレフォン産駒でパワーに秀でた部分があって、トップスピード勝負よりも持続力が問われるレースの方が向いてたのかなと思う。
東京のトップスピード勝負でもアサヒを2度退けていて、1キロ差ある中でダノンベルーガに1馬身半+3着以下を圧倒している面は適性よりも地肩の強さだろうか。
加えて今回は仕上がりの良さが目につく。追い切りでも、これまで追われてから加速まで時間を要していたが、今回は反応の良さが目立ったし、右前脚のエクイロックスも今回は塗っていないので、蹄の状態から生み出された追い切りの躍動感だったのかなと感じた。共同通信杯同様に重い印を打ちたい。
アスクビクターモア
トライアルの弥生賞を制覇して挑む中山2000m
前走は掛かる馬ながらも2番手で先行させて押し切った鞍上の上手さが目立つ勝利だったし、時計の短縮からも大きな成長が見られた一戦だった。
前半スローで番手を狙いに行った田辺騎手の判断が完璧だったのもあるし、トビの大きい馬でエンジンの掛かり遅さがネックだが、タフな馬場でも持続できる強みが生かされた。
中山で連勝と行きたいところだが、前走がベスト条件だったのかなという部分は強い。コースは同じだが、メンバーレベルが上がって更なる時計短縮が求められるので、善戦するとしたら、雨の影響が強くてタフな馬場で、ペースも流れて持久戦になる展開かな。仕上がりに関しては、フォームも安定していて時計も出て、とても良かった。
ディープだけど、パワー型なので今後は目標は高くサトノクラウンのようなレース選びをしてほしい。
ジャスティンパレス
ホープフルS2着。中山巧者ミルコと初コンビで挑む。
前走はゲートで立ち上がり少し遅れるも中団で進め、キラーアビリティを見ながら運べたが、直線に入ってからの動き出しで明確に反応の差が出て万事休すといった形で2着に敗れた。
ホープフルSのメンバーに関してはフィデルも若葉Sで負け、ラーグルフも弥生賞で負けていて、巻き返したのは状態面で上積みがあったオニャンコポンと余裕残しだったボーンディスウェイぐらいだったので、全体的に高く評価はしていない。
ただ、休み明け勢の中では断トツに追い切りが目立っていて、ドウデュースと同じく最終は軽く走らせただけだったが、1,2週前は長めからしっかり追われて終いも11秒前半のラップが踏めているので、長欠明けでも状態は万全と見ていい。
キャリアの浅さはネックにはなるが、間違いなく上向いているので、皐月賞だけに限らず、今後も活躍していくだろう。
オニャンコポン
京成杯は前半は流れたが中盤で大きく緩む区間があり、4角手前で動き出したロジハービンについていくように外から進出して直線で力強く差し切った。
ホープフルSは中間で熱発があるなど一頓挫があっての敗戦なので、クラシック戦線でもある一定の評価は必要。
エイシンフラッシュ自体は一瞬の脚タイプだが、前走の感じだと長く脚を使っていい味を出せるので中山は合うとは思うが、時計の掛かる馬場で狙いたかったかな。
仕上がりは万全で、一週前は坂路で好時計が出ている。
ジャスティンロック
京都2歳S勝ち馬。戸崎騎手と初コンビで挑む。
前走は中団で進めながらも、ロジハービンが外から捲ってきて前に入られてしまい、その分仕掛けを我慢できたが、結局これを外から交わす為に外を回らされてしまう。ゴール前の伸びは目立っていたが、決着がついた後に追い込んでくる形だったので、やや勿体ないレースだった。
毎回上がり上位の末脚は出しているものの、ゲートの出が遅いのがネックで、皐月賞で更にメンバーが強くなって、多頭数になるなら必然的にポジションは後ろになってきそう。前が完全に潰れるような差し展開でないと台頭は厳しいかな。
仕上げに関しては良いほうで、一週前で攻めた時計。
マテンロウレオ
中山は2敗しているが上積みは十分。
前走弥生賞は中団で掛かって位置を下げてしまうロス。仕上げも緩かったので、今回の方がパフォーマンスは上げてきそう。
勝ったきさらぎ賞はペースも平均で中盤も緩まずに持久力を問われた展開を外から伸びてという内容。陣営も時計を要した馬場の方が好みと言っているので、馬場が回復してきそうなのはマイナス。これも前が潰れる展開が好ましいかな。
初ブリンカー着用、仕上げの面で前走からの上積みを考えると不気味さはあるが、激走したとて力不足。