【クラシック】東京優駿

 

東京11R 日本ダービー

1.べラジオオペラ

中団から差し切ったスプリングSとは裏腹に、前走皐月賞は先行策。しかし、前傾4秒のハイペースに巻き込まれる形で10着に敗れる。

東京で勝ち鞍があるとはいえ、セントポーリア賞のメンバーは低調な中で先行有利のスローペース。協調するならスプリングSだけど、あの時は時計の掛かる中山だったし、高速想定の東京では手が出にくい。1枠1番で穴人気しそうだが手は出さない。

2.スキルヴィング

2月のゆりかもめ賞、4月の青葉賞を連勝して今回が東京2400m3連戦目。

青葉賞勝ち馬はダービーを勝てないというジンクスがありつつも、本馬は余力を残しつつ前走を勝ち上がったと見ているので、今年は青葉賞の年になると予想する。

前走の仕上げは7割程度に見えたし、時計や着差が大した事ないのも、内が有利な中で2着ハーツコンチェルトが馬群を捌いてロスなく乗ったのと比べ、こちらは安全策で外を回して「別に2着でもいいから脚を出し切りたい」のようなレースぶりだった。

懸念としては高速持続力はトップレベルにありつつも、トップスピードまでのギアチェンジは特段取り上げるものでもないので、内枠で包まれてしまって脚を出し切れない形だと厳しい展開になりそう。

そこはデビューから4戦全てで手綱を取るC.ルメール騎手だし、東京は誰よりも上手い騎手なので、信頼したい。

3.ホウオウビスケッツ

前走皐月賞で重馬場ハイペースで先行して負けた組。

3角で内から上げていきたいところだが、手応え悪く直線で失速して17着と大敗。

皐月賞ほどではないが、2走前スプリングSも前半ハイペースを先行して粘れていたけど、皐月賞の場合は道中掛かり気味だったし、メンタル面に敗因を求めるべきか。。

ただ、フリージア賞は逃げても後半の上がりは優秀だったし、ある程度重賞クラスでもやれていいはず。追い切りを見て感じたが、左回りでの左→右への手前替えがとても上手な馬なので、左回りが好きな可能性は残していると思う。

4.トップナイフ

ホープフルSではスローのギアチェンジ戦に恵まれ2着。中山20実績を引き下げて挑んだ皐月賞は出遅れて先行できずほぼ最後方からのレースになり7着。

結果先行勢がタスティエーラ以外が全潰れしたので、先行しなくて良かったのかもしれないが、後ろから脚を使う形では決め手不足だった。

東京替わりはマイナスだろうし、先行できるメンバーではあると思うが、一瞬の小脚を使う本馬よりも、まだホウオウを評価したいかな。

5.ソールオリエンス

今回の主役。2冠目を狙う皐月賞馬。

前走は前が潰れる展開+一番後ろから大外まで持ち出して破壊力抜群の末脚で各馬を飲み込んでの勝利。相変わらず4角逆手前で侵入してくるのでコーナーで外に膨れてしまうが、皐月賞は一番外に持ち出すには打ってつけだったとも言える。

これで東京実績がないなら大きく嫌って「追い込み展開にハマった」「持続力特化型でトップスピードは大した事ない」とも言えるんだけど、新馬戦が東京で後に1勝クラスで5馬身差圧勝するレーベンスティールに勝っている。

ただ一瞬の加速で言うとレーベンスティールの方が動けていたし、本馬は脚を長く使って良さが出た感じだった。まぁ東京コースに大きな不安は特にないかな。

一つ粗を探すのなら、前半の入りが基本的に甘いので、距離延長とはいえ、ここでも後方10番手以降の追走にはなってしまいそう。

パンパンの良馬場なら昨年のように流れない限りは追い込みは厳しいだけに、そこは懸念材料だろうね。

6.ショウナンバシット

皐月賞は後方で追走するも、3角過ぎてから空いた内を縫ってコーナリングで外に出すミルコの好騎乗もあり5着と健闘。

ただ、ここまで上がり最速で33.6のすみれSで勝ち馬シャザーンには決め手で劣ったし、速い馬場の適性はないと見る。ベストは小回りで上がり掛かる展開が良い。

7.フリームファクシ

前走皐月賞は先行せずも中団策。4角はタスティエーラの後ろで入ってきたが簡単に出し抜かれているし、ファントムシーフにも太刀打ちできずに馬群に沈む。

重馬場が堪えた事もあるが、それにしても完敗だった。裏路線で力を付けつつあり、ポテンシャルも高く評価されてはいたが、この負け方を見ても弱いな、、、と。

気性が徐々に良くなりつつあり、ゲートも改善傾向にあるので、今後の成長は期待。

8.メタルスピード

前走皐月賞は超ハイペースに付き合わず中団後ろ。3角外から動いてタスティエーラの後ろから直線へ。持久戦で長く良い脚を使いつつも、その後ろにいたファントムシーフにアタマ差及ばずの4着。

中山を連続で使っていた事もあり、コーナー勝負の形で良さが出たと思うし、重馬場とハイペースでトップスピードを然程問われなかった展開も良かった。

東京と新潟で走ったが、特に目立ったところもなく、東京替わりでトップスピードを問われるとしんどいかな。

9.グリューネグリーン

東京で勝った時はペースが流れて番手から押し切る形。逃げたのはNZTで勝つエエヤンだったが、これを負かしたというよりはエエヤンがぶっ放して前半1000m57.9の超ハイペースで勝手に沈んだだけのレース。

京都2歳Sを勝つも、その後は明らかな力負け。2400m延長は歓迎でなく、1800前後が適性距離になってくるだろう。

10.シャザーン

皐月賞前までの3戦で全てドスローからの上がりだけのレースで、個人的にも評価をしていなかったが、後方待機になりつつも外から良い脚で追い込んできた。馬場も向かなかっただろうし、後方策はいえハイペース戦を経験できたのは大きな収穫になりそう。

前走がベストではなく、間違いなく大箱向き。

臨戦過程的にも一戦ごとに体重を増やしている点、友道厩舎の追い切りパターンをこなしつつ、終い11秒台をウッドコースで出していて、この3ヶ月で最も成長を積んでる一頭なのではないかな。

11.ハーツコンチェルト

新馬を圧勝して、東スポ2歳で3着から重賞では力負けの7着、4着。

立て直して前走青葉賞でスキルヴィングとの叩き合いを演じて2着でダービー出走を取り付けた。

前走に関してはスキルヴィングのところで書いたように、こちらは内を捌いてきて、直線でもしっかり追ったのに対して、相手は大外一気でガシガシ追わずに脚を計る形だったので、着差は半馬身差だが、能力差はそれ以上のものがあったと感じた。

2400mベストの馬ではありそうだが、余力残しでもないし、こちらは青葉賞組ジンクスの罠に引っかかってしまいそう。

12.タスティエーラ

前走皐月賞で唯一先行して着内に残した馬で、個人的には最も強い内容だったと思う。

共同通信杯は溜めてもそれほど弾けず切れ負け。弥生賞は3番手で先行して押し切る内容から、皐月賞での好走は中山適性が味方したのだろう。

共同通信杯で賞金を詰めず、仕方なく弥生賞を使ったという履歴がある事から、今回のダービーまでにお釣りが残っているのかというのが一つ注目すべき点。

しかし、中間はかなり意欲的に追い切りをこなしていて、一週前でカフェファラオを置き去りにする鋭い加速を見せていて、ここに来て馬が変わってきたようにも受け取れる。

皐月賞終わった段階では東京では用無しと完全に消す予定だったが、なんせ3歳馬は飛躍的な成長を見せる事もあるので、適性というよりも成長力を買いたい。

13.シーズンリッチ

毎日杯の勝ち馬。その前走は先団馬群で溜め、少しペースが流れる中、持続戦を制した。共同通信杯もそうだけど、トップスピードでは正直足りない。毎日杯は流れてジワジワ脚を伸ばして勝ち切れたけど、良くなるのはまだ先だろう。

ただ、ゲートの不安と気性難を克服しつつあるので、ここ数ヶ月での成長度は大きい。

14.ファントムシーフ

前走皐月賞は3着。前にいたタスティエーラに先に抜け出されるも、シャザーンやメタルスピードとの叩き合いは制した。

更に言うとレース中に落鉄していたようなので、厳しい馬場の中よく走った。

共同通信杯を番手で抜け出しての勝利など、安定感のある成績を残す一方、G1トップレベルで抜き出た決め手はなく、ここまでも正直完成度の高さで他馬に先着してきたように感じる。

内枠を引いてセコくタイトに立ち回りたいクチだが、外枠を引いてしまったのは正直厳しい。ルメール騎手が降りても武豊騎手を確保できたのはとても心強いのだが、ダービーで強く推せる部分もあまりない。

15.ノッキングポイント

毎日杯2着で賞金を加算。シーズンリッチを差せずも、この時は良馬場ではあるが稍重気味の馬場だった中で距離延長の1800mは少ししんどかったようだ。

東京マイルで勝った2月の1勝クラスでのレースが良かっただけにマイルで見たい。

16.パクスオトマニカ

前走プリンシパルSは7頭立てで、1000m通過62.4のスローペースで展開に恵まれた部分が大きく、ダービーでは狙いたくない。

スプリングSは躓いて後方から。葉牡丹賞は前崩れの展開だったが、若竹賞はそこそこの時計で走れているので、小回りの条件戦なら通用するだろう。

17.ドゥラエレーデ

ホープフルSは行った行ったの展開に乗じて勝利。その後UAダービーに挑戦するとんでもローテ。番手を追走するも、マークしていた逃げるデルマソトガケにそのまま突き放され2着。

ダートでも対応してきたのだが、ストライドが大きく、一度スピードに乗った時の持続力の高さも武器。

ただ、ホープフルも展開利がだいぶあったし、距離延びて速い脚が要求される馬場になるのはマイナスだろう。

18.サトノグランツ

前走京都新聞杯を勝利して最後のダービーの切符を手にした。

レース内容はドスローからの上がり勝負だが、一気に切れたというよりも坂の下りを利用しつつ上手くダノントルネードを見つつ差し来てた。脚を余し気味に前残りを差し切った内容は良かったが、急加速で良さが出る訳じゃなさそうだったし、まだG1レベルの鋭さとかはない。

別路線組だと何か一つパンチある武器が欲しいんだけどね。そういう意味では長距離を連続でこなしているので、菊花賞までに何とかなれば...といったところか。

話は変わるがサトノダイヤモンド産駒はオークスに出走したシンリョクカもそうだったけど、胴の長い馬が多く長距離で活躍の場を広げていきそう。

 

◎スキルヴィング

〇シャザーン

▲ソールオリエンス

☆タスティエーラ

 

土曜の馬場を見た感じだと、Cコース初週にしては内バイアスがキツいという訳でもなくフラットな状況。

速度的にも出遅れたりしなければ内のトップナイフが逃げていきそうだが、外にパクスオトマニカやドゥラエレーデが入ったので、序盤の2角ぐらいまでは隊列落ち着かずに割と速い流れになりそう。

馬場的にも昨年のように、流れて追い込み馬がトップスピードに乗せてからの高速持続力で台頭してくるという展開になりそう。

 

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