2021年日本ダービーのレース回顧

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東京11R 日本ダービー

 

 

☆レースラップ

12.2-10.6-12.2-13.0-12.3-12.4-12.8-11.7-11.4-11.5-10.8-11.6

 

各馬スタートを切って、大外からバスラットレオンがハナを切る。

番手にはタイトルホルダー。エフフォーリアの隣からヴィクティファルスもゲートを出て積極果敢に攻めに行く。2角過ぎではヴィクティファルスの後ろにエフフォーリアが付けるが、外からグラティアスが前を取ってきて、まさかのサトノレイナスが向正面で番手まで押し上げていき4角先頭の勢い。

 

内からエフフォーリアが馬群を割ってくるも、後方待機していたシャフリヤールがラスト200mから100mまでの間に一気に差を詰めてきて残り50mの叩き合いを制して勝利。

 

1着シャフリヤール 福永

ゲートを出て1角の入りでやや狭くなって顔を上げ気味になるが、鞍上は落ち着かせて中団後ろを位置取る。向正面でサトノレイナスとディープモンスターが徐々に位置を上げていくも、この馬とエフフォーリアは馬群で折り合いに徹する。

外のグレートマジシャンと並ぶ形で直線を迎えて、こちらは中目のワンダフルタウンの後ろを選択。詰まりかけたり、外のアドマイヤハダルとぶつかる部分はあったが、前にいたサトノレイナスが外にヨレたスペースを突いてエフフォーリアとの追い比べになった。

残り1000mのロンスパなんだけど、直線での再加速が10.8と大きくて、今の馬場だと11秒台中盤を踏んできても10秒台まで到達しちゃうんだ、、という感じ。

残り2Fの個別ラップ的には(ハロン棒位置が出ると測りやすいので測ってみた)

エフフォーリア 10.8-11.5

シャフリヤール 11.0-11.1

といった感じでエフフォーリアは自慢のギアチェンジで残り400mで突き抜ける勢いで上がってきたんだけど、ラスト200mで脚が止まりかけたところをシャフリヤールが垂れない高速持続で差し切った形。

 

ファンが予想する中で毎日杯をよく見返したと思うけど、共同通信杯の上がりでシャフリヤールが唯一最後脚を伸ばしていたし、エフフォーリアと1Fだけ差が詰まるのも見れたので一番の参考レースは共同通信杯だったのかな~と。

高速馬場での激走が続いたので脚元が心配。今後は菊花賞に出るには距離不安がありそうなので、秋天とかがベスト舞台かもしれない。

あと福永騎手は4年で3度のダービー制覇。とても落ち着いた騎乗だったし、日本人最強騎手と言ってもいい存在ですよね。

 

2着エフフォーリア 横山武史

 

上記のシャフリヤールの項目で書いた通り、シャフリヤールに差されたのはロンスパからの最後の垂れた部分かな。

これに関してはキレッキレのギアチェンジを生かすこの馬にとっては究極を言えば展開が向かなかったと思うし、これだけ速いラップを続ければさすがに最後は止まるからね・・・それを突いてきたシャフリヤールと福永騎手を褒めるしかない。

 

その中でも2着を取れたのは向正面で有力馬のサトノレイナス武豊のディープモンスターらが動いた地点で内で我慢できた事が大きいと思うので、個人的にはどこに文句を付けるのか分からないぐらいの好騎乗だったと思う。

 

秋に向けては菊花賞を目指すんじゃないかな。これは余裕で勝てますよ。

 

3着ステラヴェローチェ 吉田隼人

POG指名しておきながらバゴ産駒×高速馬場で軽視していたのが情けない。

ゲートはやや遅めで後方を追走。特に向正面で動くこともなく、ロンスパが始まる3,4角でグレートマジシャンを目標にして外に進路取り。

外にヨレていくサトノレイナスと、目標にしていたグレートマジシャンの間を狙ってラストまで伸び続けて3着を確保。

外差し馬場も吉田隼人騎手の頭にはあったと思うし、前にスペースを置きながら4角を回ってきてグレートマジシャンの後ろを選んできたのも好判断だったと思う。

ダービーに乗ってないけど、ある騎手なんかスペース関係なしに前の馬の手前まで突っ込んで急ブレーキさせたりという騎乗を東京コースで何度も見てきたので同じ関東の騎手である吉田隼人さんはその辺は違ったな。

 

バゴ産駒で33秒4の上がりって出せるんだな。。クロノジェネシス秋天で計測したけど、この馬も本当に強いバゴ産駒なんだと思う。間違いなく大成する。

 

 4着グレートマジシャン 戸崎

不安のゲートは五分に出て中団後ろを追走。前に壁が作れず折り合いに苦労しながらだったが、サトノレイナスらが動いていく中、こちらは我慢。

直線では大外に出して残り2Fまでスッと伸びてくるが、ラストの脚は上位馬には見劣ってしまい、伸び続けてきたステラヴェローチェに差されて4着。

 

直線での反応は素晴らしいんだけど、エフフォーリアには一枚劣る。追い切りでもまだ幼さを見せているし、血統的にも古馬以降で活躍するような血なので今後の成長に期待する。

 

5着サトノレイナス ルメール

ゲートは遅めだったが外から出していき、グラティアスの後ろまで付けて2角過ぎまでには4,5番手に付ける積極策。更に向正面でペースが落ちると早めに進出開始して4角までには先頭に立ち、押し切りを狙うがラスト2Fで脚色が鈍って外にヨレてしまう。

 

伸び続けてきたステラヴェローチェ、グレートマジシャンにも交わされて5着。

 

まずパドック映像を見て、牡馬と遜色ない馬格に驚いた。桜花賞から明らかにパワーアップしてきていたし、気配抜群といった様子。

自信の消しだったので良いんだけど、サトノレイナスを買っていたとしたら今回の乗り方は納得いかないかな。ここまでの競馬を見ても、一瞬の切れで伸びてくるというよりも、後方から溜めてこその速くて長い持続力が武器の馬なので、ちょっと勿体ないレースになったとは思う。

まぁでもルメールの東京2400mの意識として、ダービー・オークスジャパンカップ関係なく、4角までにポジションを取るという競馬を徹底しているので分からなくもない。(ダービーのドゥラメンテレイデオロオークスジャパンカップのアーモンドアイなど)

 緩んだ向正面で位置を上げたのは良かったが、その後に残り1000mのロングスパートが始まってしまったので、ラストの失速に繋がった。

逆にその地点で動かずに脚を溜め続けたのが上位を占めたシャフリヤール、エフフォーリア、ステラヴェローチェ、グレートマジシャンだった。

 

6着には2馬身差付けているので、この走りは上々。秋は秋華賞を目指すと思うが、このパフォーマンスを見てしまうと牝馬の中なら中距離だと一枚抜けているかもしれない。

牝馬限定戦なら後方からの末脚比べでどうにかなるだろうね。

 

それ以下だと6着タイトルホルダーは騎手のコメントで「力みやすいからハナを狙いに行った」とあるので、今後は上手くハナを切れた時は注意ですね。

この馬はギアチェンジは持っていても高速持続戦には適応してこなかったが、6着まで粘っているのを見ると素質はかなり高い。(まぁ皐月賞2着馬なんだけども)

2番手で終始折り合いに苦労していて、直線を向いたころには内で馬群に飲まれそうなところから一瞬は抜け出してこれているのを見ると、並みの馬ではないと感じた。

 

10着ワンダフルタウンは道中スムーズに追走。サトノレイナスを目標に置いて動き出しまでマークしていたが、単純に速いラップに対応できなかった。

折り合いなどは問題ないので、この馬は距離伸ばして菊花賞に向かうべきかな。青葉賞で東京をこなしているとはいえ、速い時計はダメなタイプ。